■20091225(金)
メリークリスマス
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| 前回のコラムから一ヵ月。 遠くに聞こえていた冬将軍御一行の足音は、今や地が揺れる程間近に迫り、行軍達の吐く冷たく白い息は、北風に乗って日本列島くまなく吹きさらし、分厚いコートで身を包んだ政治家や成金亡者以外の一般家庭から下層階級の我々庶民が羽織るぺらぺらと薄いコートの裾を捲り上げるのだった。 おれはこの一ヵ月の間、毎週のように結婚式とその二次会に出席していた。 そのうちのひとつ、我が愛する妹の結婚式は格別で、こらえきれずにあふれ出る涙の量と、ついつい奮発してしまう御祝儀の両は、これ見事に比例するのはやはり愛する妹ゆえ、致し方ないのだろう。 結婚と言えば、昨日12月24日はおれたちの結婚記念日だった。 ちなみに4周年である。 過去3年間は記念日とはいえ手ぶらで帰ったのだが、今年こそはと思い花を買って帰ることにした。 花屋で予算を告げ花束を繕うように頼む。 店員が何用かと聞くから結婚記念日に愛する妻に渡す用だと答える。 店員は一瞬たじろぎぱくぱくと口を動かすが言葉がでない。 だからおれはもしかして予算が足りませんかね?と聞く。 店員ははい実は最近いいお花は値が高く特に薔薇などは大変なお値段ですのであのまあその‥ともじもじするからおれはいえいえそんないい花を使わなくていいですからしょんぼい花でいいですからそれらしく見えればそれでモーマンタイですからと言うとはいじゃあそのように致しますと言って店員は作業に取りかかった。 それから待つこと20分。 花屋の店先を彩る花に3分で見飽きたおれは10分過ぎたあたりからしょんぼい花にどいだけ時間かかってんだと心の中で悪態吐きつつ待っていたのだが、出来上がった花束を見て思わずうわあすごいと嘆息するほど見事なフラワーアレンジメントにしょんぼいのは私の予算でしたすみませんと心の中で詫びつつ帰宅。 そしてそれはまるで愛の告白でもするかのようにドキドキしながら花束を嫁に渡せばこれが想像以上の喜びのリアクションでもってうっすら浮かべる涙にはおれまで感動してしまい最終的には二人で抱き合っておいおい泣いたのだった。
ほんとにわたくし、しあわせでございます。 | | |