■20070222(木)
ロッカーへの復帰
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| 日曜は映画を見に行った。 見た映画は「世界最速のインディアン」 タイトルからしてインディアンの話しかと思いきやこれが全然違ってバイカーの話しだった。 おれはバイカーでもないしロッカーもクビになったばかりだからこの手の映画を心から楽しめる自信がなかった。 しかし、それは違った。 違ったどころか深い感動と共に大切なことを思いだした。 それは好きならいいじゃないかということ。 バイカーもロッカーもカタチは違えどこうじゃなければいけないなんて決まりはひとつもないんだっていうこと。 なによりも好きなことを生涯かけてやり続ける、その気持ちが一番大事なんだってことをこの映画は教えてくれた。 最近のおれにとって今この映画に出会ったことはほんとに幸運だったと思う。 おかげでまたロッカーに復帰できるような気がした。 そして今日のこの感動の記念に映画の主人公が着ていたTシャツと長袖のシャツを買うことにした。 二枚も買うとちょっと高いなと思いつつレジで勘定をすると値札より五千円も安い。 おれの勘違いかと思い勘定を済ます。 歩きながら値札を見るとやっぱり五千円安い。 なんだラッキーと思いそのまま出口に向かう。 そんなおれにもうひとりのおれが言う。 「ちょっと待て その行動は ロッカーか?」 おれは立ち止まって悩んだ。 店が間違って勘定をしたんだからそれでいいじゃないか。何も考えずに立ち去れば五千円の儲けじゃないか。しかしそのためにあのレジのおじさんはあとで大変な思いをするだろう。気がついてしまった以上ここは引き返して正しい金額を払うべきではないのか。なによりロックかロックじゃないかで言うならこのまま立ち去るのはロックではないな。よし、戻ろう。 と言うわけでおれはちょっぴり悩みつつもレジに戻るとおじさんに告げた。 おじさんは心から感謝してくれた。 翌日。 昨日の出来事を会社のおじさんに話すとおじさんは言った。 ロッカーがどうのこうのはわからねえけどわざわざ戻ってカネ払い直すのは正直者はバカを見るのいい見本だな。 そう言われたおれはいやロッカーの話しのくだりがわからないんじゃこの話しは一生わかりませんよと言い返す。 するとおじさんはわかりたくもねえよ、わかりたくもねえけどロッカーってなんだよ、と聞く。 おれはですからロッカーとはロックに生きることであってそもそもロックとは、そのおロックとは‥。 言葉に詰まったおれはぼんやりと空を眺めた。 そしてぼそりといつものセリフをつぶやいた。 ロックとはいったい‥。 | | |