Dr.yamada's Column
■20051030(日)  秋桜畑
mb_1030203200.jpg 176×144 8K焼津某所にて秋桜畑を発見したおれは車を止めて花を眺めた。
これが秋に咲く桜か‥。
しかしなにか物足りないと思い車を下りて花の匂いを嗅いだ。
だが、残念ながら鼻がつまっていてなにも感じることができない。
しかたないから山口百恵の歌を口ずさむ。
しかしメロディーばかりで歌詞がさっぱり出てこない。
おれはあせった。
このままではせっかくの秋桜畑を堪能できないではないか‥このまま立ち去ってしまってはせっかくの秋桜畑がきゃべつや大根の畑となんらかわりがないではないか‥。
もっと秋桜を感じたい‥。
ジレンマに身悶えたおれはふと空を見上げた。
空にはうっすらと雲が広がりその隙間からは秋の日差しが弱々しく差しこんでいる。
これこそ秋にふさわしい空、これこそ絶望の秋にふさわしい悲しい空じゃないか‥。
そしてもう一度秋桜畑を見渡した。
しかしやっぱり畑からはなにも感じることができない。
視野を広げて周りを見渡す。
右手には二三軒の民家を挟んで国道がひた走り左手には住宅が所狭しと立ち並ぶ。
そしておれは思った。
この畑は植える物を間違えている‥。
そう思うと秋桜などどうでもよくなったおれは回れ右して車に戻りその場を後にした。

■20051023(日)  サナッシュライヴ
mb_1023143755.jpg 176×144 3Kあ、ねえねえキミ!キミさあ、もしかしてロック好きじゃない?
突然話しかけられたおれはびっくりしてしどろもどろに答えた。
え?えぇっと好きだけど‥!?
すると彼はにこやかな笑顔でおれに言った。
今さあ、すぐそこのライヴハウスですっごくいいライヴやってんの!よかったらちょっと見に行かない?
キラリと光った彼の笑顔をまじまじと眺めたおれは言葉を選んで答えた。
えっと、知ってますよ、サナッシユですよね?今出てたんですけど‥。
すると彼はえ?と言ったまま絶句した。そしてどういうことか理解しようとして目が泳いだ。
おれは黙って見守った。
やがて彼は言った。
えぇ〜!?そ、そうだったんだぁ‥なんてバンドで出てたの?
キャメルクラッチです。
そ、そっかあ‥ごめん、わからなかったよ〜。
またよろしくです!と言って彼に負けないくらいの笑顔をして見せたおれは回れ右して背を向けた。
複雑な思いを胸に抱きつつサナッシュに戻るとラストから2番目のバンドが始まるところだった。
この日はAMP PEZの企画に呼んでもらいおれたちは8バンド中5バンド目、出番を終えて少し外をふらふらしている時の出来事だった。
まあさ、おれなんかステージ下りたらほんっとただの人ですよ、せいぜいロック好きそうなオーラ出てるとこが関の山ですよ、でもさ、そんなことより普通に見にきた客がライヴ見てるうちに盛り上がっちゃって知らない人に今日すっごくいいライヴやってるから見に行こうよ!って話しかけてしまうくらいのいいライヴだって言うのはなによりうれしいことじゃないですか。
バンド同士は対バンだから負けたくないって思うけどライヴ自体はトータル的なものだから自分ちバンドだけ成功して自分ち客だけ楽しめたってライヴとしては成功じゃなくてトータルでいいライヴだって言われないと自分ちがいくらいい演奏しても失敗なわけで対バンとはそういうものではないかと思いますよ。
だからこの日のライヴは大成功!最後までいいバンドばかりで企画でトリのAMP PEZのステージはフィニッシュにふさわしい素晴らしいステージであんなに感動したステージは初めて見ました。
そして打ち上げもすごく楽しくてビックリゲストが弾き語りしたり関西バンドが一発芸したりと時間も忘れて楽しみました。
ふと気がつけばおれは風邪も治り秋のブルースも吹き飛びいろんなことがきれいさっぱりリセットされ音楽は素晴らしくバンドは最高、そしてメンバーは偉大な存在であり最近忘れかけていたことを思い出させてくれるようないいライヴな一日だったと思います。
次回は11/12静岡サナッシュ、今回よりもっといいライヴができるようにがんばります。

■20051020(木)  明日はライヴ。
mb_1020185714.jpg 176×144 1Kやっぱ青空は上がるなぁ‥。
ここ何日間かずっと曇り空ばかり見ていたおれはそのせいで風邪をひき気分も体調も下がりっぱなしだった。
そのうえ秋という大嫌いな季節が訪れWパンチでスペシャルブルーな日々を送っていた。
それはそれはもう海より深いブルーな感じで夜の町の色めくネオンでさえもすべて悲しい青色に見えた。
すなわちそれは絶望の秋の到来に心底怯えたおれの純粋で美しいハートがひび割れたかちかちのクッキーのように救われぬ状況に陥った結果だと言う事かもしれない。
しかしそうも言ってはいられない。
明日は二ヵ月ぶりのライヴだ。
ライヴのことを思うと風邪も秋の憂欝もみんな吹き飛んで行く気がする。
ふつふつと上がってくるこのテンションを肌で感じながら明日に備えてもう寝ます。
と思ったけど今からスタジオに行かなくてはなりません。
と言うわけでみなさんまた明日会いましょう。
さようなら。

■20051012(水)  失敗の繰り返し。
mb_1012210804.jpg 176×144 5Kフッフッフ。
ミーのカーはついにスペシャルラッキーな数字を刻んだ。
今日は出る。
出るに決まっている。
いや出ないわけがない。
と言うわけでおれはひさしぶりにパチンコ屋へ行った。
スロットのシマを一通り見てパチンコのシマを一通り見終わったおれは思った。
知らない台ばっかりだ‥。
しかし今日のおれには予備知識なんて必要ない。
座れば出る。
ハンドル握ってるだけで出る。
ボタンを左から順番に押してるだけで出る。
チャンス目は何回転だとかヤメ時まで何回転だとかそんなことかまったことか。
おれは出る。
出るに決まっている。
そう思ったがやはりスロットは避けることにした。
だってスロットって知識ないと厳しいじゃん。
そんなわけで選んだ台はパチンコ台の北斗の拳。
これなら少しやったことがあり知ってる範囲で説明するとこの台は7Rだがすごい確立で確変が継続する。
そしてリーチが来るまでキャラクターであるケンシロウがぶらぶら歩いているとリンがつまづいたりバットがつまづいたりボロをまとった老人が走り去ったりいかにもザコキャラみたいなやつがびっくりして逃げて行ったりとただひたすら数字が回転しているだけじゃないから打ってて飽きない台なのだ。
そしてボスキャラと対決するのが主なるスーパーリーチでそいつに勝つと見事大当たりとなる。
と、ここまではみなさんよろしいでしょうか?
え?ここバンドのHPですよね?
だって?
はぁ〜ん?
そんなことよりおれのパチンコの話しのほうがだ・い・じ・だよ!
バシン!
カンカンカンカンカン‥。
(マチャのカヴァー)
もし今日のことを書くならマチャのネタをパクろう、いやネタは同じじゃないからカヴァーかな?などとぼんやり考え事をするひまがあるくらいケンシロウはただひたすらぶらぶら歩くばかりでたまにリンが転んだってバットが転んだってザコや老人がうろうろしたってなんの発展もなくいい加減飽きて来たその時!
画面が暗くなり稲妻が雷鳴を轟かせ地響きと共に悪魔のような黒い馬が出現しその馬にまたがるこれまた悪魔のようなその男こそ‥!
ラ・オ・ウ‥!!!
すると数字が揃って大当たり、なんとボスキャラのラオウは登場しただけで大当たりになるのだ!
そして確変か否かは7Rを消化する間にケンシロウとラオウが戦いケンシロウが倒れずに立っていれば確変、倒れたらそれで終了となる。
7R制のケンシロウとラオウの熱い戦いは見ているこっちまで熱くなり玉が受け皿いっぱいになっても気付かないし隣のおじさんがつれのお父さんだって気付かないし隣のお姉さんがどっかで見たことのあるホステスだってことにも気付かないくらいこのラウンド消化画面からは目が放せないのだ。
う〜ん、まったく素晴らしいゲーム性‥。
と感心しているのも束の間、二連チャン目の戦いであろうことかおれのケンシロウは倒れたままのびきって動かないではないか!
立て!立つんだケン!
このままでは考えると嫌になるくらいの大金そっくりそのまま返ってこないじゃないか!
頼む!立つんだケン、立ってくれケェェーンン‥!!
しかしおれの叫びはケンには届かずただ虚しく胸の中をこだまするだけだった‥。
その後、結局トータルではたったの14R分の出玉しかなかった玉は出た所へ帰って行った。
そしておれの財布から出て行った金は帰ってはこない。
もうなにもかも嫌になったおれは店を出るとタバコのポイ捨てをした。
そしてもう勉強はしないと誓った。
そのうえ野菜ももう食べないと誓った。
だが、お利口さんのおれはそんなことよりももうパチンコをやめようと思った。
明日からはまたバンドに集中しよう。
ライヴも近いし‥。
見上げた夜空は星が煌めき秋の夜風は冷たくおれに吹きつけた。
そんなことの繰り返し。

■20051003(月)  現実>空想
mb_1003235543.jpg 176×144 3K早朝七時、会社までの道中、おれはいつも寄る販売機の前に車を止めると缶コーヒーを買った。
そして車に戻り、そのまま走り去ろうとしたその時、不思議な光景に目を奪われた。
それは、四十才前後の女性の異常な行動だった。
彼女は、民家の塀に向かって手を合わせ、しきりに祈りを捧げていた。
そして二回お辞儀をすると、その民家の塀から外に出ている木の葉を一枚むしり、塀の上にむしり取った木の葉を置き、さらにその上に足元から拾い上げた小石を重ね、そしてまた手を合わせるとお祈りを始めた。
その民家はどこにでもある家で、塀もまたこれと言って特徴もなく、彼女がひょいとつまんだ木も、普通の家によくある身の丈程の木で、拾い上げた石に至っては砂利以外の表現の仕様がない。
しかし彼女は、そんな何の変哲もない物々に向かって祈りを捧げている。
そして数秒の後、一歩横に踏み出すとまた同じ動作を繰り返す。
よく見るとその塀の上にはずらっと葉っぱと小石が並んでいる。
塀の端から端までおよそ10m、彼女は大体塀の中央に位置した。
おれは最後、彼女が塀の端まで辿り尽き、葉と小石の乗せる塀が無くなったその時、彼女のその後の行動が気になって仕方がなかった。
しかしそれを見届けるには時間がない。
止むを得ず会社に向かって車を出した。
それから午前中の間ずっとそのことが頭を離れない。
昼の休憩時間、海を見ながら飯を食う。
会社のおじさんに今朝見た出来事を話す。
おじさんは、そんなものに意味も理由もねえよ、そいつはただのキ〇ガイだろ、と言った。
おれは海を眺めた。
海は僅かな円を描き、それから向こうは何も見えない。
そしてその上を隙間もなく空が覆う。
おれは思った。
海が青いとか、地平線は丸いとか、空の色とか、テトラポットのこととか、そんなことおれが考えたって何も変わりはしない。
目に見えるもの全てがありのまま存在しているのだ。
だからあのおばさんだって不思議じゃない。
葉っぱの上の小石だって不思議じゃない。
結果あのおばさんはキ‥‥。

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