Dr.yamada's Column
■20050223(水)  春一番
mb_0223193416.jpg 176×144 7K今日は春一番がやってきました。
お笑い芸人ではなく本物の春一番です。
しかし観測所は春一番を認めません。
なぜなら認定風速にはおよばなかったからです。
ちなみに認定風速は8m、今日の風は7.8m、あとちょっとでした。
春一番はがっくりと肩を落とししょんぼりとしていました。
するとあとからやってきた春一番が最初にやってきた春一番をなぐさめます。
その道を行けばいかなるものか、迷わず行けよ、1、2、3、ダァー!
ついでに気合いのビンタまでもらってニセ春一番は元気になりました。
すると、つっこみ役の太陽が言いました、
おまえもにせものだろ!

空想は楽しいものです。

■20050219(土)  集中力0%
mb_0219192200.jpg 176×144 5Kビッ、ビビッ
シュワ、シュー
ビッ、ビィ――――
暗闇の中で輝く緑色の炎は電気によって着火されガスに吹かれてほとばしる。
その小さな炎は瞬く間にステンを溶かし流れ出たステンは僅かな隙間に流れ込むとぴったりと隙間を埋めた。
そして隙間に添って少しずつ進んで行き一周回って始発点に戻ると二本のパイプは一本になった。
ここまでは第一段階、次のステップはステンを溶かしながら同時に溶接棒を溶かし込み1mm程度の間隔で進みながら一周回って始発点に戻らなければならないのだがおれはこの段階でしばらくつまづいている。
この壁を乗り越えるには後どれくらいの昼休みを浪費しなければならないのだろう‥
いいか?等間隔で進んで行くには1、2、1、2って一定の間隔を保って行くんだよ、こうやって1、2、1、2、いいな?
そうか、イチニ、イチニか、よし、1、2、1、2、なるほど、1、2、1、2‥う〜ん、うまくいかねぇなぁ‥ワンツーでやってみっかな、ワンツー、ワンツー‥どうもワンツーどまりがよくないな、ワンツースリーフォーのほうがしっくりくるよな、ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー、調子でてきた、ワンツースリーフォー‥元気よく言ってみようかな、ワンツースリーホォー!ワンツリースリーホォー!これがコブラならワンツーブィボー!おれたちゃまだまだ路上にいるのさ!オンザストリート!ワンツーブィボー!‥だな、きよしろーのワンツーさんし!もオリジナリティーあっていいよな、逆にイチニっスリーフォー!‥なんかいまいちだもんな、イチニっブィボー!わけわかんねぇな、あ、あれいいっけな、べこ!うし!べこうしとらとら!いやべこうしわんわん!だっけかな、べこうしにゃーにゃー、こりゃちがうよな‥
おい!ぼうっとしながらやっても上達しねえぞ!
はっ!?また自分の世界に浸ってしまった‥いかんいかん、気をとりなおしてイチニっイチニってなんだこの日記っ‥!!

■20050217(木)  金の淫謀
mb_0217101304.jpg 176×144 5Kもしもし金さん?聞いてください、ぼくはお腹が空いて死にそうです、それより寒くて寒くて死にそうです。昼間は列車のレールで暖をとり夜は寝たら死んでしまうから命懸けで起きてます、パパもママもぼくたちに食べ物をくれたためにお腹が空きすぎて死んでしまいました、お願いです、なんとかしてください!
電話のむこうで必死に話す少年に金はこう言った。
そうかね、それはたいへんだね、でも安心しなさい、実は今核兵器を大量に作っていてね、それを武器に世界を征服しようかと思うんだ、もし世界を征服できてみなさい、きみにだってちゃあんと分け前を与えるよ、毎日美味しいもん食べてあたたかいベッドで寝てなに不自由なく暮らせるんだよ、いやいやきみたちは働かなくってもいいんだ、奴隷共が一生懸命働くんだからさ、あいつらは飯も食わずに働けばいいんだよ、飢えて死んだってかわりなんていくらでもいるんだからさ、だからもうちょっとしんぼうしたまえ、わたしが世界を征服するまでもうちょっとだからさ、ま、とにかくきみ、もう二度と電話はしないでくれ、わたしのテンションが下がるんだよ、知らぬがほとけで優雅に暮らしていたいんだよ、欲望にむかってそれだけを考えて生きていたいんだよ、なのにそんなブルーな話し聞かされたらほんとテンション下がるんだよ、え?なに?世界征服しなくてもいいじゃないですか?だって?ぼくたちは普通に働いて普通にごはんが食べれて普通にふとんで寝れたらそれでいいので
す、だって?ばかいっちゃいかんよきみ、わたしの世界征服はなにもきみたちのためにやるわけじゃないんだよ、いいかね、わたしの世界征服にはいろいろな理由があってだね、まあぶっちゃけて言うとまずわたしは毎晩女を抱いて寝たいのだよ、毎晩どころか朝も昼も女を抱いてやってやってやりまくりたいんだよ、しかしながら我が国の女にはちょいと飽きたから世界の美女をやりまくりたいんだよ、そりゃああっちこっちから拉致してはむさぼりまわしたけどみんなアジア人でしょ?もうアジアの女は飽きたのだよ、これからはアメリカの女を抱きたいのだよ、しかし簡単に拉致しに行けないから困るのだよ、そりゃあわたしのヨットでぶらっとキャリフォルニアの海岸にでも乗りつけてだね、海辺に寝そべるグラマーなアメリカ女でもさらってこれればそりゃあ最高さ、しかしだね、そうもいかないからわざわざ核兵器作ってアメリカを征服しなくちゃならんのだよ、そうする以外アメリカ女をやりまくる手段がないのだよ、わかるかねきみ!
電話はとっくに切れていた。
金は受話器を置き深々と椅子に座ると机の上で足を組みしばらくぼぅっとした。そしてにやにやしながら歌を歌った。
うららぁ〜うららぁ〜うらうららぁ〜♪
この世はわたしのためにある〜♪
鼻歌を歌う金の横顔は独裁者の威厳のかけらもなくただの欲にかられた獣の横顔でしかなかった。
一方、受話器を置いた少年の横顔は憎しみの炎で燃えていた。しかしどうすることもできなかった。
それよりも暖をとりたい‥
少年は歩きだした。
真冬の空はよく晴れており日の光りを浴びたレールは熱を帯びていた。
少年はレールの間にもぐりこむとぴったりと横になった。そして横になったまましばらくの間静かに泣いた。やがて泣きつかれて深い眠りに落ちた。
遠くで警笛が聞こえる。
しかし列車は速度をゆるめずまっすぐ少年にむかって走ってきた。
列車の振動がレールを伝って少年をふるわせた。
少年はまどろみ夢を見た。
それは母に抱かれる夢だった。
母は少年に聞いた、
あなたが権力を握ったらなにをしたい?
少年は聞いた、
権力ってなに?

■20050214(月)  ロックは科学を越えた
mb_0214122853.jpg 176×144 4Kその飛行機は富士の上空を下降し続けやがて富士の街中へと消えた‥
おれたちは富士アニマルハウスへ向かうところだった。
バイパスから山道へ入り蒲原の駅を越え次の信号を右折で富士川の橋を越えたら後はまっすぐだねって言ってた矢先、
おいあの飛行機やけに低く飛んでねぇか?
おぉまるで着陸するみてぇじゃん、
でも空港なんてねぇよな、
ねぇな、
墜落じゃねぇか?
かもな、って言ってる間にジェット機にもセスナ機にも見えるその飛行機は富士の街中へと下降し続けやがて消えた。
びっくりしたおれたちはカーナビのテレビで飛行機墜落のニュースがやらないかすぐさまチェック、がどこを見てもそんなニュースはなくテロップすら出てこない。
まぼろしかなぁ?
集団白昼夢だな‥
そんなこと言ってる間にアニマルへ到着。
リハを終えたおれたちはいつもの居酒屋でスタート時間を待つ。
そしてライヴは始まった。
トップのスラッシュベイビーズはギターのトラブル続きで不運だった、しかしロックの魂は十分おれの胸に響いた。
次はデスベット、五人編成での溢れる音は圧倒的で迫力満点、心地良いメタルサウンドに陶酔した。
そしておれたちの出番、毎度ながら演奏はめちゃくちゃ、でも一生懸命やりました。が課題は多い、もっと練習しないとな‥。
最後はジェットボーイズ、加速するハイテンション、目の放せないステージパフォーマー、気がつけばおれはジェット気流に乗せられてジェットロック星へと旅立っていた。そしてまたひとつ、忘れられないロックの星をみつけた。
楽しい打ち上げの帰り道、富士川の橋を渡って昼間来る時のことを思い出した、謎の飛行物体が富士の街へ消えて行ったあの出来事、ジェット機にもセスナ機にも見えたあの飛行物体、おれたちが見た白昼夢、もしかしたらあの飛行物体はジェットボーイズの来襲を予感させた予知夢だったのでは‥。

■20050210(木)  トリビアの泉と御手洗
mb_0210100749.jpg 176×144 7K某大手メーカーの工場へ配管修理に行きそこの便所を借りたらトリビアを発見!
小さく書かれたその落書きには‥

この工場には
ヘルスで働く
女がいる

と書かれてあった。
へぇ〜と感心したおれは3へぇと書いて便所を出た。
従業員が100人もいればヘルスでバイトをする子が一人くらいはいても不思議じゃないか‥と妙なリアルさを感じ二度目の便所で5へぇと書きなおした。
あくる日も昨日の作業の続きということで昨日の工場へ出向き昨日と同じ便所へ行き昨日と同じ便座に座りそして昨日の落書きを見ると新しいトリビアが書かれてあった。それには‥

この工場には
落書きを信じる
バカがいる

と書かれてあった。
おれは3へぇを5へぇと書きなおすくらい素直に信じたのにひどい裏切りじゃないか!頭にきてトリビアにトリビア返しをした。

残念ながら
そのヘルス嬢とは
友達だ

ふっふっふ、さあどうくる?とおれはほくそ笑んで便所を出た。
あくる日、昨日の続きを楽しみに会社へ行ったが今日は現場が違うということで昨日の工場へは行けなかった。
無念。

■20050208(火)  どんよりとした空に煌めく火花
mb_0208122258.jpg 176×144 1Kなんだおめぇこの溶接、迷子になったみみずじゃねぇんだからよー、はいやり直し。
おれは今毎日溶接の練習をしている。仕事中にやらしてくれるほど会社は甘くなく貴重な昼休みを割いてでの練習に正直嫌気がさしている。
おめぇにやる気さえありゃあ一週間で覚えられるでがんばれや。
昼休みはのんびり昼寝したい。やる気んなければ何日かかりますか?とおれは聞いてしまいそうだ。
しかしチグ溶接ってむずかしいっスね、なんでそんな簡単にできるっスか?
ばかおめぇ簡単じゃねえよ、おれがここまでくんのに何年かかったと思ってんだ。
さすが職人さん、矛盾していることをあっさりと言いますな‥。
だいたいおめぇチグ溶接ってなんだよ、鍋じゃねぇんだからよ、ティグ溶接って言ってくれよ、ティ・グ・わかったな?
今日もこつこつ溶接の練習、頭じゃわかってても体がついてこない、っておれのドラムと同じじゃん、はぁ〜‥‥

■20050204(金)  富士山と日本の歴史
mb_0204125107.jpg 176×144 2K南極で発生した大寒波は世界各地で大被害をもたらしながらついに日本に上陸した。
そして少しずつ南下して静岡県の上空までくるとどういうわけだかそこでとどまり静岡県だけ日本観測史上最大の積雪に見舞われた。
静岡県では滅多に雪は降らないため、最初県民はめずらしさから心踊ったが雪に対してあまりに無防備な町であることを思い知らされると同時にいっこうにやむ気配のない雪の猛威に次第に不安を抱くようになった。
積雪から10日後、依然降り続ける雪は10mを越えた。
積雪から一ヵ月後、まったくやまない雪は30mを越え、もはやこの時点で静岡県は壊滅したと報道されたが日本政府の懸命な救出作業は続いた。
積雪から半年後、60mを越えた雪は巨大な雪山と化し富士山と一体化すると富士山は世界一のスノーマウンテンとなった。
積雪から一年後、観測100mを越えた時点で観測などどうでもよくなった日本政府は救出活動をとうにあきらめ、かわりに世界一のスノーマウンテン観光場所として隣町の山梨県や長野県愛知県等に空港を作りまくり観光に来る外国人を相手に荒稼ぎをした。
更に一年後、雪は降ったり降らなかったりしながらも一年を通して気温はかわらず、あいもかわらず巨大な雪山はそびえたっていた。
更に一年後、日本政府は都道府県をひと県減らした、つまり静岡県は県ではなくただの富士山と化した。
それから一年後、徐徐にではあるが富士山が巨大化しているとの報道が流れ、富士山の巨大化に平行して山梨県や長野県その他富士山を囲む土地の住人が引っ越しを始めた。
それから10年後、尚も巨大化していくスノーマウンテン富士はすでに日本国土の四分の一を締め、それまで日本の首都だった東京は富士山と一体化したために首都を北海道に移した。しかしそれに反発する沖縄が首都はこっちだと主張、小さな争いは大事になりついには首都権を巡っての首都戦争が勃発、日本は北と南とに別れ首都権南北戦争時代に突入した。
それから10年、巨大化し続けるスノーマウンテン富士はもはや日本国土のほとんどを覆いつくし残るは北海道と沖縄を残すのみとなった。当然首都権を巡っての戦争はとっくに終わり日本国民のほとんどが難民として外国へ流れて行った。
それから10年、ついに日本は国ではなくただの雪山と化した。
更に10年、散り散りに別れて行った日本人は徐徐にアメリカに集中しリトル東京は次第に大きくなっていった。
またまた10年、リトル東京で産まれた子供たちは昔は日本と言う国があったことを親から伝えられるがその頃にはリトル東京は日本人で膨れ上がりアメリカ国土の五分の一にまで勢力を延ばした。
更に10年、増え続ける日本人とアメリカ人の間で争いが耐えず、ついには日米戦争が勃発、と思われたがすでにこの頃には科学は最高の域に達しており、スノーマウンテン富士の雪を科学の力で溶かして日本国土を甦らせることで話しは決着、火炎放射器を搭載したジェット機が富士山を囲み一斉放火した。
それから半年後、ついに雪は完全に溶け眠っていた日本国土が目を覚ました。そして世界中の日本人が無残な焼け野原と化した日本へ強制送還された。
なにもない土の上で日本人は一致団結すると瞬く間に日本国は起動した。そして高度経済成長期を経てバブルも崩壊したりしながらもあの忌まわしい大寒波がやってくる頃の日本国まで完全復帰した。
ちなみに日本は雪を溶かす時炎に包まれたことから外国人から「火の国日本」と呼ばれるようになった。そして炎に包まれながらも最後まで富士の頂きだけは白かったことから赤色に囲まれた白い円模様の「白丸の国旗」が新しい日本の国旗に産まれかわった。
それから10年後、忘れた頃の大災害と言うことで東海大地震が起こり富士山に眠っていたマグマが目を覚ますと日本全土は炎と溶岩に包まれ名物と共に「火の国日本」となった。
それから50年後、南極で発生した大寒波は依然炎を吐き続ける富士山の上空までくるとそこでとどまり‥。

■20050201(火)  自転車−鍵=盗難車?
mb_0201124007.jpg 176×144 9Kおや?その自転車には鍵らしきものがひとつもついてないようだがきみ、防犯対策はどうしているのかね?
どこからともなく現われたポリスメンは信号待ちをしていたおれにそう話しかけた。おれは言った。
この自転車は現場の持ち物なのでわたし一人が乗るわけではないのですが帰りは必ず鎖と南京錠で施錠しております。
ばか丁寧に答えるおれになおもポリスメンは食い下がる。
ではコンビニなどで買い物をする時はどうします?鍵を持ち歩いていない以上施錠できませんよね?
おれは答えた。
ちゃんと見張ってるから心配ありません。
ポリスメンは一瞬ばかを見るような目つきをしたが気を取り直して言った。
最近は自転車の盗難車が犯罪に使われるケースが多発しておりそれを防ぐためにもぜひ自転車の施錠には注意してもらいたいのですよ、よろしいですね?
しゃべりながらもなにげに自転車の登録ナンバーを控えるポリスメンを横目におれは答えた。
はい、気をつけます。
最後にポリスメンはおれの目の奥をじっと覗きこみおれも彼の目の奥をじっと覗きこむ。そしておたがいきれいな瞳だということを確認するとそこで別れを告げた。
そんな昼時の出来事。

過去ログ 2004年09月 10月 11月 12月 
2005年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2006年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2007年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2008年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2009年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2010年01月 02月 04月 05月